駒澤大学インタビュー

創立10周年を機に、数IIのプログラミングから、情報科目へ
~奇をてらった特異な問題解決力ではなく、基礎的内容の理解を求める

駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部 学部長 各務洋子先生

――これまで数IIのプログラミングを課していらっしゃいましたが、なぜ情報入試を導入することになったのでしょうか。具体的な背景をお教えください。

これまでは、数II科目の中に情報の知識を発揮できることを目的として、プログラミングの力のある受験生を積極的に受け入れる考え方を採用してきました。しかし、今年、この学部の創立10周年をきっかけに、更に情報教育の重要性を強調したいという学部の趣旨を、受験科目の中により強く表現するために、数学科目ではなく、情報科目を導入することにしました。


――これから身近な社会生活の中でもグローバル化の波が押し寄せて来ると思います。貴学部の教育の中で、このような時代に対応する人材を育てるために、どのようなことにいちばん力を入れていらっしゃるでしょうか。貴学部のスローガンである、「Be different, Be global」と合わせてお教えください。

グローバル化の本質は、文化背景の異なる人達と共に働き、共に生きることです。つまり、グローバル化とは、多様化の中で生きていくことを意味します。文化、宗教、言語の異なる人と、共にチームを組んで協働する力が、これからの私たちに最も求められています。多様な社会で生きるために必要なこと、それをこの学部のスローガンとしました。それは、あなたの個性を貫くこと。つまり、無理にではなく自然体で、そのままの自分でいることこそが、differentであると認識することです。


日本人はとかく、出る杭は打たれることに神経を使い、人と違わないことに注意を払ってきました。しかし、人と同じであることでは、世の中から「あなた」が求められ必要性がありません。人と違うあなたの資源を出し続けることこそが、多様な人材があふれるグローバルな社会で生きる知恵、つまり、他者に貢献できる唯一の手段であるのです。つまり「Be different, Be global」多様な社会では違いにこそ意味があります。この学部では、他人と異なる力を思う存分に育てて欲しいと思います。



――今後高校の教科「情報」で特に重視するべき点はどのようなことであるとお考えになりますでしょうか。

「情報」科目で重視すべきことは、「情報」で学ぶ論理は世界共通であるということです。特にプログラミングで学ぶロジックの立て方は、世界で通用する論理思考であるわけです。つまり、プログラミングの言語は、英語と同様に、世界に通じる“ことば”と考えるべきなのです。プログラミングの考え方、筋道の通ったロジックの考え方を学ぶことで、今後ますます必須となるグローバル社会で生き抜く力を養うことに繋がると考えています。世の中は、IOT(Internet of Things)の時代であると言われるように、様々なモノにネットが繋がり、あらゆるモノを動かすために必要なプログラミングが組み込まれるようになってきました。今や、その状況はIOE(Internet of Everything)と言われるレベルに達しています。世界共通の論理であるプログラミングを学ぶことは、これからの社会で生きる地球市民としての必須科目であると言えるわけです。



――貴学部の学生さんの卒業後の進路の特徴をお教えください。

就職率はとても高いです。就職先はメディアやITに限定されるのではないかと想像されることが多いのですが、それは違っています。むしろ、メディアやIT企業以外の、伝統的なメーカーから、先端のサービス業まで、多岐にわたります。つまり、今や、インターネットに接続しないで仕事をすることは不可能な状況になりましたが、情報やメディアの扱いに慣れ、基本的な考え方を理解しているグローバル・メディア・スタディーズ学部生は、あらゆる業界で求められる知識を身につけていると言えるわけです。したがって卒業後の進路は、特定の業界に偏ってはいないことを強調しておきます。


――情報入試を受験する生徒に期待することをお教えください。

本学部の情報科目の入試問題は、基礎的内容をきちんと理解していることを求めています。決して、奇をてらった特異な問題解決力は求めていません。むしろ大学を卒業してから、思う存分型破りな提案ができる人材となるためには、大学に入る前の段階では、基本形である型を充分に身につけておく必要があるからです。基本を大切にしています。4年間の大学生活で更に高度な基本を身につけ、社会に出て初めて、型破りな成果を出し続ける人材に育って欲しいと願っています。