活用例2の発展課題

◆発展課題
(1)農業以外にも課題を抱える第一次産業は多い。水産業や林業などでの仕事の場面での課題をITによって解決している例を探そう。

 

(2)東日本大震災の被災地の課題(例えば農業や漁業など)で、①で見つけた例が活用できるか考えてみよう。

 

(3)観光業で、ITを活用して課題解決をしている例を探そう。または、あなたの住んでいる街の観光を振興するために、どのようにITを活用したらよいか考えてみよう。

 

★ヒント
(1)例えば、林業では、木の生育情報をGPSを使った位置情報を含めITで管理しています。間伐という最適な状態に山林を維持するために、木々の位置など管理しています。GISという地理情報システムを活用し、地図上に情報をマッピングすることで、効率的な山林の管理を実現しています。
水産業では、漁場の探索や漁獲量の管理や、流通の最適化などにおいて、ITが産業に貢献しています。

 

林業の例:GIS(地理情報システム)や航空写真を使って森林資源量を見積もるシステム
Computerworld 「ITで林業を支援 NECシステムテクノロジー、森林の価値を「見える化」する技術を開発」
http://www.computerworld.jp/topics/610/204300


水産業の例:リモートセンシング技術を使った漁場探索システム
経済産業省 「リモートセンシング技術で海洋情報を取得 ~漁場決定を支援する水産海洋情報サービス・トレダス~」
http://www.hkd.meti.go.jp/hokig/jirei/p10_11.pdf


(2)
東日本大震災では、多くの情報提供にITが活用されましたが、ここでは「復興」に焦点を絞って考えてみます。
下記のサイトでは、復興計画で多くの地域で職住分離が進んだため、遠隔地から農地を管理できるような仕組みの記事が掲載されています。
植物工場・農業ビジネス 「村田製作所や東北大が被災地で先端農業、職住分離を支援 、中小農家の業務効率を高めるためクラウド使い農地を遠隔監視」
http://innoplex.org/archives/10910

 

塩害対策として以下の取り組みなども紹介されています。
ITpro 「ドコモとNECら3社、センサーネット活用で被災地の塩害農地復興支援事業」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20110826/367481/


(3)
観光業では、交通手段、ホテルなど宿泊施設や旅行ツアーなどの予約にインターネットが使われていますが、どんなサイトなら、またはどんな画面なら利用者が予約しやすいか考えてみましょう。
観光案内やガイドにおいて、観光客に対する価値の最大化や、効果的な情報提供のために、ITの活用が模索されています。

 

<参考サイト>
ITを観光業に活用するための大学等の研究者のサイト
観光とコンピューティング京都研究所

下記の記事は、観光のためにスマホやGPSを活用するなどが参考になります。
観光とコンピューティング京都研究所 「ICTとの融合による観光プロモーションプロジェクト」

 

下記のサイトにも観光客向けのITの活用の事例があり、ヒントになると思われます。
ITpro 「『観光大国』化にはITが必要だ」


 

◆参考◆

販売されている野菜が、無農薬で育てられたことを証明するための工夫=トレーサビリティ

 

無農薬で育てられた野菜は、畑の土や、栽培時の投薬に関する情報を生産履歴として管理することで証明できます。これらは、トレーサビリティと言われ、その野菜が、いつ、どこで、誰が、どのように生産したかが記録され、データベースに対して、生産時に適時記録することと、出荷後もデータを保持することで閲覧し追跡も可能としています。

 

◆参考◆

農業のさらなる展開=六次産業

 

最近、コンビニなどが生鮮野菜の生産に乗り出したり、住宅メーカーや自動車会社が植物工場を運営するなど、農業への異業種の参入が活発化しています。一方、従来の、例えば小麦など原料を作る(一次産業)仕事に加えて、パンに加工(二次産業)、販売(三次産業)まで行う六次産業(一次×二次×三次=六次)へ転換し、高い収益を上げる農業へと進化させる取り組みも広がっています。

 

六次産業にもITは欠かせないようです。下記の農林水産省作成のpdfのp7にそのイメージ図があります。
農林水産省 「AI農業の取組について」