New Education Expo2019

「ICT環境の充実を目指して 〜1人1台の端末整備やモデル校での取組〜」

学力向上を実現するための1人1台の端末整備とモデルの創出

柏市立手賀東小学校校長 佐和伸明先生

「学力向上」目標達成のための1人1台ICT環境

稲垣先生から、国という大きなくくりの中でのICT環境整備についてのお話があり、その中では1人1台端末に向かっていくべきである、という方向性の話が出ました。私立学校では,すでに1人1台を実現している学校はたくさんあると思いますが、公立では,まだなかなか難しい現状にあります。その中で、1人1台端末の環境があると、どのような授業ができるのかというお話をいたします。

 

なぜ本校が1人1台かというと、そもそも子どもの人数が少なく、児童数が50名です。そして、実はこの発表の中で、いろいろなところで「Supported by ○○」出てきますが、多くの企業さんのご支援を受けながら実証的に行っているものが多いからです。そういう中で、1人1台環境で私の学校がどのようなことを目指しているかということをお話ししたいと思います。

 

この図は、実は2年ぐらい前から講演等で出しています。2020年に新しい学習指導要領になりますが、その中では主体的・対話的で深い学びをするとか、プログラミング教育とか、学習者用デジタル教科書とかいうことが言われています。これらはキーワードですが、現場の先生方が本当にキーワードとして受け取っているかというと、いわゆる「バズワード」、つまり何となく重要そうだけど具体的にはどういうことなのか確信が持てないという反応が、非常に多いです。

 

では、これらを何のために実現するかというと、結局はICT(1人1台タブレット端末等)を使うことで学力向上に寄与しないと、現場はなかなか納得できません。大きな世界を描くというのも必要ですが、学校現場の個々の先生に響くためには、日々の授業の中で、子どもたちにどういう具体的な力を付けてあげられるのかというところまで落とさないと、なかなか納得していただけないのが現状でしょう。

 

「学力」と言ってしまうと、学校教育法や、新しい学習指導要領の「育成すべき資質・能力」はクロスしていて、表現は多少違いますが、知識・技能だけではなくて、思考力・判断力・表現力、そして主体的に学びに向かう力といったものを学力と捉えています。今日の話では、こういったものを育てることを意識しています。

 

全国学力・学習状況調査の結果に見るICT活用状況と学力の関係

ICT、特に1人1台タブレットを使うことが学力に寄与するのかという点についてお話しします。こちらは、平成30年度の全国学力・学習状況調査の報告書のクロス集計です。まず、教師が大型提示装置等のICT活用をどれぐらいしているかと、成績の関係を見たものです。

 

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これは、2~3年前とは状況が大きく変わっています。小学校で「ほぼ毎日活用」が30%を超えています。中学校は36%、週1回以上では70%を超えており、先生方は日常的にICTを使っていることがわかります。ただ、これは「先生が」という主語ですね。

 

「どういう授業をするか」とクロス集計するとどうなるかというと、教師が大型提示装置等のICTを活用する授業をほぼ毎日行った学校は、教科の平均正答率が高い傾向が見られました。ICT環境整備のための予算を取ろうとしても、「ICTを使っても子どもの学力上がらないのではないか」と反対する方がいらっしゃると聞きますが、これがエビデンスです。全国的調査で結果がはっきり出ています。

 

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では、「うちの学校は大型提示装置等を設置したからもういいでしょう」と言うと、そういうわけではありません。もう一つ、「児童がコンピュータ等のICTを活用する学習活動を一クラスあたりどの程度行いましたか」という質問があり、今度は、主語が「児童」です。児童生徒がコンピュータ等のICTを活用する学習活動を週2回以上行った場合、教科の平均正答率が高い傾向が見られると、言っているわけです。そうなると、先生も子どもも使えば、学力・学習状況調査上は、「学力が上がった」ということをはっきりと示しているわけですね。

 

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ただ面白いのは、先生の方は「ほぼ毎日」を取っているのに、子どもが使うのは「週2回以上」しか取っていないのです。調査する側も、「ほぼ毎日使う」環境にないことがわかっているのかもしれません。

 

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ただ、いずれにしても「こういう使い方をすれば結果が出るよ」ということを言っているわけですから、教育委員会にしても学校現場にしても、「ICTの活用は学力向上に寄与するものだから整備する必要がある」と捉えるべきだと思うのですが、ここの部分は非常に温度差があります。この温度差を埋めるには、学力向上の効果、エビデンスが見える実践モデルの創出が必要だと考えていて、ここからのお話では、それについて行っていることをお伝えできればと思っています。

 

学力調査を毎年見ても、つまずくところは毎年変わらない

柏市では、小学校1年生から中学校3年までを対象に毎年学力・学習状況調査を行っています。この6年間同じ問題を使っているのですが、その結果を見ると、実は6年間傾向が全く変わっていません。先生方は一生懸命授業をしているにもかかわらず、できないものはずっとできていないのです。つまり、今のままの授業では、この部分は変わらないということですね。

 

実は、小学校6年生の学力学習状況調査の度数分布を見ると、小学校2年生の問題でつまずいてしまった人は、小学校6年生でもそのままつまずいてしまっているということが、示されています。改めて言うまでもなく、急にできるようになるということはありませんが、ではそれのままでいいのですか、ということですよね。つまずいてしまったらずっとそのまま、などということは誰も願っていないのですから。

 

つまずくところがわかっているなら、そこをタブレットを使った活動で解消しよう

これらから言えるのは、つまずきというのは、「きょうの授業がわからなかった」「この問題ができなかった」があると、次の時間もまた「できない」「わからない」ということになります。

 

算数の場合は系統があって、前の学年のものができなかったら、その学年もできないことになり、結局つまずいたままになります。クロス集計を取ると、当然のことながら、正答率が低い子どもは満足感が低く、自己肯定感も意欲も低いという結果が出ています。これはまずい、何とかしてそのつまずきを解消できないか、しかもそれをタブレットで、というのが私の学校が考えていることです。

 

そのためにまず、データ分析によってどこにつまずきがあるかを洗い出します。これは単元ごとではなく、問題レベルで、どういう問題につまずくのかを洗い出します。

 

そして、そのつまずきを解消するためにはどういう授業をしたらいいのか。その授業には1人1台のタブレットを使うということを前提において検討しています。

 

よく「学校現場はPDCAが大切」と言われますが、学校で弱いのはC(Check)の部分です。先生方は、一生懸命計画を立てて授業をしますが、その結果がどうであったかをあまり話題にできない。そこについて、つまずきがわかっているのであれば、それがどう変容したかということを、その時間中にタブレットを使って類似問題を行い、学級全体の正答率および個の理解度をチェックするということをやっています。

 

つまずかせない授業づくりのために、タブレット端末による個別共同学習、デジタルコンテンツの活用、授業支援アプリのソフトの利用。そして、単元・時間ごとにつまずきやすい問題をドリルで子どもたちにやらせ、その中で子どもの評価をしていく、または先生の授業評価に結び付けていく、というようなことをしています。

 

 

「KKD(勘・経験・度胸)」から「KKDD(勘・経験・度胸・データ)」へ

今までは、先生は「KKD」つまり勘と経験と度胸で授業ができましたが、そうもいかなくなってきています。若い先生も増えている自治体も多いですしね。

 

だから、そこに「データ」を入れていこうという考え方です。子どもがどこにつまずくのかということを、勘だけではなくてデータ上から洗い出すのです。そして、それに向けてどのような授業をしていけばよいかという計画(Plan)を行い、実際に1人1台タブレットによる授業改善を行います(Do)。そして、それが実際どうであったかということを、これまたタブレットで評価テストを行い(Check)、指導と評価の一体化を図ります。そして、どういう手だてを取れば改善できるのかということを回しながら授業を行っていくということです(Action)。

 

 

ただ、これを毎日・毎回の授業で行うのは容易ではありません。やらなければいけないのは、各学年のつまずきが起こっている授業で、そうでないところは、今までどおり先生方は自信を持って授業をすればよいのです。つまずいているところは、教科書通りにやってもうまくいかないかもしれないので、やり方も工夫していこうということです。

 

[具体的な授業例]

1.タブレットを使った問題作りの協働学習

では、どういう授業モデルのパターンが生まれてきているかということをお話しします。大きく分けると三つです。

 

問題作りを通した協働学習をタブレット端末で行う。学習者用デジタル教材、これは今度デジタル教科書になるはずですが、これを取り入れたつまずき改善です。そして、プログラミング学習です。

 

こちらが、柏市の学力テストの問題の例です。「算数の教科書の表紙のおよその面積はどれぐらいですか」という問題で(具体的な選択肢を出すわけにいかないので、伏字にしています)、正解は何番でしょうというものです。子どもは毎日教科書を見ているので、縦は何cmで横が何cmか大まかにわかれば、実は3桁ぐらいになりそうですよね。だから3番が正解なのですが、この問題の正答率は25.3%です。25.3%といえば4分の1ですから、鉛筆を転がすのと変わらないわけです。

 

この問題はできなくても、縦何cm、横何cmと長さがはっきりしていれば、面積はどれだけかという問題はほぼ全員できますから、長方形の面積は理解しています。しかし量感が育っていないので、およその考え方というのができない。そうすると、いくら教えてもダメということになります。

 

そこで、これまでの授業に加えて、子どもたちに問題作りをさせてみようと、タブレットを使った問題作りをします。子どもたちがカメラ機能等を使って問題を作り、それを皆で出し合って解き合っていくというような授業をタブレットで行います。これが一つ目のパターンになります。

 

具体的には、身近なものを見つけて面積を求める問題を作ります。これがPDのDです。

 

子どもたちは学校にある長方形や正方形を見つけて問題を作っています。

こうやって子どもたちが主体的にタブレットで問題を作っていきます。

 

できた問題を送り合って問題を解き合います。送られた側と送った側で単に正解を言うだけでなく、どのように考えればよいかを話し合います。

 

そして、ここが一番大事なことですが、「今日はいろんなことがわかったね」ではなく、教師が子どもたちに確認問題を送り、それを子どもがタブレット上で行い、教師が回収して正答率がどれくらいか、誰ができて誰ができていないのかを確認します。そして、できている子は先に進みますし、できていない子は教師が寄り添ったりヒントを出したりします。このように、アダプティブを意識した評価を行っています。

 

このやり方で、3年生の長さ調べも全く同じパターンの授業ができますし、カメラを使わなくても問題作りはできます。本校は学年の人数が10人くらいなので、正答率を出してもあてにならないかもしれませんが、それでも正答率は例年よりぐっと上がっています。

 

2.学習者用のデジタルコンテンツを使った活動

二つ目は、デジタルコンテンツ等を利用したパターンのモデルです。直方体や立方体の展開図を理解しているかという問題で、この直方体の展開図はどれかを選ぶものです(これも、著作権の関係で具体的な問題は出すことはできません)。

 

この正答率は70パーセントくらいありますが、展開図は割とわかりやすいはずであるのに、それでもできないのは、試行錯誤の経験が足りないのではないかと考えました。

 

例えば、立方体の展開図の授業は、子どもたちに紙を切らせて、何人かの子が発表するというのが一般的です。立方体の展開図というのは11通りありますが、こういった授業で扱うのは、せいぜい3、4通りで終わってしまいます。ですから、ある程度決まったものだけ出たら、そこで授業は終わってしまいます。

 

そこで、もっと試行錯誤させたいと、タブレット端末によるコンテンツを利用することにしました。これは東京書籍さんのコンテンツで、子どもたちはこのコンテンツでどんどん試してみます。うまくいってもいかなくてもやってみて、周りの子と話し合って、協調的・協働的な学習を行っていきます。ちなみにこれは、授業支援システムはガイアさんのものを使っています。このように、皆で話し合いながら広げていくことが、深い学びにつながっていくということですね。

 

 

この課題でもチェックテストを行っていますが、ここではジャストシステムさんと内田洋行さんに協力していただきました。市販のドリルには、どうしても一般的な問題しかないので、柏市で、あるいは手賀東小では、こういう問題につまずきがあるので、この問題を作ってくださいとお願いして、ドリルのシステム上に入れてもらっています。つまずきのあるところでドリルを行っていけば、その時間中にその授業がうまくいったのか、どの子が成果を上げ、どの子に今後どんなフォローをするのかがわかるというような仕組みです。

 

 

このように、タブレット端末とデジタル教科書を使って、主体的・対話的で深い学びを、どこの学校でも誰でもできる授業パターンを作っていくことが、どうもできそうだということがわかってきました。

 

3.プログラミングを使って

次の問題は、図がありませんので頭の中で考えてください。

 

正方形の紙を3回折って三角形を作ります。それを、三角形の辺の長さが同じになるようにはさみで切ります。それを開くと正何角形になりますかという問題です。本当の問題には図がありますが、これも正答率が悪く、22.5パーセントです。学校で扱う正何角形というのは、正三角形から正八角形までなのに、この程度の正答率です(正解は正八角形です)。

 

これをどう学ばせるかということで、プログラミング教育を位置付けています。柏市は、今4年生から6年生まで、中学校につながるスタンダードカリキュラムを作っています。プログラミングは教科の内容理解を深めるということが目的なので、ここの部分にはまさにプログラミングを使います。このプログラミングでは、マウスコンピューターさんや教育家庭新聞さんにコーディネートをいただいています。

 

 

「プログラミングで多角形を描くには、こういうのをやっていって、ここで繰り返したら描けるね、正方形を書けるようになったら、正三角形を描くのは応用すれば簡単だね」という感じで授業をしていきます。

 

これをすると、初めから答えを言ってしまう先生がいたり、外角や内角を一生懸命教えてしまったりするのですが、子どもに「うまくいかない」ということを体験させるのがプログラミングで最も大事なところだと思っています。

 

うまく描けなかったら、そこから自分たちでいろいろ工夫します。パソコンを使う子もいるし、歩いてみる子もいます。こんなことをしながら授業を進める中で、正何角形の描き方という共通した決まりが見つかってきます。

 

最終的には、角度の大きさがわかって円まで書けるようになるという授業ですが、これもただ円が書けるとか、プログラミングができるということを目指すわけではありません。

 

先ほどの問題を算数的に考えたときに、できないということは、正多角形の理解が十分ではないというところから、つまずきが発生しているわけです。だから、授業では折り紙を折ることをやっていないから、問題に結び付かないわけですよね。

 

扱っていないものに対して子どもたちがどのように対応できるかということを、柏市の何校かに協力してもらって調査すると、正六角形の角の大きさは、プログラミングを取り入れていなくても割と高い正答率で、つまずきはそれほど見られません。ただ、全く習っていない、正二十角形の角の大きさになると、プログラミングを取り入れた集団の正答率の方が優位性が見られます。

 

実は、本当はもっと正答率が良かったはずだったのですが、プロミングをやった経験で、「(内角ではなく)回す角度を書いてしまった」という子がいました。ですから、理解度自体は、もっとよかったかなと思っています。

 

 

本当に狙いたいのは、「ちょっと難しいけど、面白い・楽しい」学び

ここまでお話ししてきて、テストの結果や点数を上げるみたいな話から始めたので、何を言ってるんだと思った方もいらっしゃるかもしれませんが、これらの取り組みは、実は主体的・対話的で深い学びを狙っているということです。

 

授業というのは、課題があって、わかった・できたになればよいのですが、ここにタブレットやコンテンツを使ったり、プログラミングをしたりすることによって、「ちょっと難しい」、「面白い・楽しい」が入り、それが明日もやりたいという気持ちにつながります。

 

例えば、6年生の理科でセンサーのプログラミングをします。子どもたちに基盤を組み立てさせたり、センサーをセットさせたり、プログラミングをさせたりするのですが、条件分岐もやらせるわけです。そうすると、子どもたちは授業終わった後、75.9%の子どもが「難しかった」とアンケートに書いてきます。

 

しかし、この結果をよく見ると「面白かった」「楽しかった」という答えがもっと多いです。やったことはちょっと難しかったけど、でも、授業は面白かった、楽しかったよと言う。これも、タブレットがあり、プログラミングがあったからだろうと思います。

 

 

なぜなら、今までの理科だと、電気がついた・消えたで終わってしまいましたが、プログラミングであれば、だんだん暗くなる、明るくなるとか、タッチパネルで操作できるスイッチを作るとかいうこともできます。中にはスキルが非常に高くて、「暗くなる時間はだいたい決まっているんだから、最初から打ち込んでおけばいいだろう」と、こんなものをあっという間に作ってしまう子もいます。

 

そして終わった後、今度何したいと聞くと、人の気配が無くなったら電気を消すだけでなく、「悲しそうだったら明るい音楽をつけるたりライトをつける」という意見も出てきます。これは、顔認証を応用したら、本当に実現するかもしれません。

 

このように、学びがどんどん広がっていくのも、プログラミングの力だろうと思っています。そしてこういうものが、学びに向かう学力観に結び付いていくのだろうと思います。

 

 

1人1台端末だからこそ、学びのバリエーションを広げることができる

まとめに入ります。最初に出したように、「主体的・対話的で深い学び」「学習者用デジタル教科書」「プログラミング」が本当にキーワードになるためには、学力向上に向けたエビデンスを見える形で実践モデルを創出していくことが必要だと思っています。これは、1人1台タブレット端末で、デジタル教科書、プログラミング学習等による主体的・対話的で深い学びを実現するということにかかっていると思います。

 

 

ただし、平成26年に出た「学びのイノベーション」、実際の学校現場ではいかがでしょうか。まだ一斉学習にとどまっていないでしょうか。これでは、残りのB、Cのところに行くのはまだまだ先になってしまいます。

 

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環境整備がこれから進む中で、私たちの意識の中で、教師が頑張ってわかりやすい授業をするというフェーズを超えてバトンを子どもたちに渡し、子どもたち自身が、主体的・対話的で深い学びの道具として、タブレット端末をいつでも使えるような授業にしていかなければなりません。

 

本校は、図書室をやめてメディアルームというものにしました。本を読んだり、固定型のパソコンで調べ物をしたりできます。ガイアさんにいただいたカートには、持ち運びのできるタブレットが入っています。教室も無線を引きました。

 

また、今学校を挙げて、どうやったら時計を読めるようになるかということを研究していて、1年生、2年生、3年生で時計の単元を考えているところです。今の子どもたちはアナログ時計を見る機会がないから、なかなか読めない。では、一人ひとりに持たせればいいじゃないかということになりました。

 

そこで学校で購入して、子どもたちに腕時計を持たせるようにしました。そうすると、子どもたちは喜んで時計をはめて、大人のような振る舞いをするうちに、時計の時間を聞かなくなってきました。教室に一つあるだけの掛け時計なら誰も気にしませんが、個人のものにすれば、子どもが自分で理解して使いこなそうとします。

 

端末が1人1台あるからといって、いつも必ず使うというわけではありません。授業の様子を見にいくと、ノートを使っている子もいれば、タブレットを使っている子もいます。将来的には1人1台あるということは、いろいろなバリエーションが利くということですね。よく「本当に1人1台必要なのか。2人1台とかグループ1台でいいじゃないか」という人もいますが、1人1台あるからこそバリエーションが増えるわけです。2人1台、グループ1台使ったほうが協働学習が生まれるというシーンもありますが、それは基本的に1人1台あるものの延長だろうと思います。