国際情報オリンピック

解説を一切見ないで独力で考える練習が、終了3秒前の大逆転を生んだ!

川崎理玖さん 東京大学教養学部1年(出場時:筑波大学附属駒場高校3年)

■プログラミングを始めたきっかけと、情報オリンピックに出場しようと思ったきっかけを教えてください。

中学校に入学してすぐの頃、どの部活に入ろうか(または入らないか)悩んでいた時、前衛的な勧誘ポスターに惹かれパソコン研究部に入部したのが、プログラミングを始めたきっかけです。もともとゲームが好きであったこともあり、最初はずっとゲームの製作に熱中していましたが、部の先輩が情報オリンピックに出場している姿に刺激を受け、中学2年生の時から情報オリンピックへの参加を始めました。

 

■ふだんの生活の中で、プログラミングのトレーニングのために何か心掛けていることはありますか。

 

主なトレーニングは問題を解くことですが、そのためのまとまった時間が取れない日が続くこともあります。そうした時は、電車での移動中やトイレ中といった隙間の時間、はたまた授業中にも、問題を考えることがあります。

 

■世界の強豪を押さえて金メダルを取ることができたのは、どこがポイントだったと思いますか。日頃のどんなトレーニングや心掛けが役立ったと思いますか。

僕はふだんから、問題の解説は一切見ずに自力で解く練習をしています。これは賛否両論ある練習方法ですが、ひたすら悩みぬく持久力を付けることができたと思います。国際大会の本番では、終了3秒前に完答数を増やすことができましたが、それはこういった練習の恩恵だと考えています。

 

■「プログラミングの醍醐味」はどんなところですか。

 

プログラミングの力を借りることで、人間の手では解けない多くの問題に手が届くようになります。今まで想像すらしなかった問題が解けるようになることが、僕にとってのプログラミングの醍醐味です。

 

■将来の進路・夢を教えてください。

 

まだ決めていません。情報科学関連の仕事がしたいですが、僕はまだこの分野のほんの一部を軽く知っている程度に過ぎないので、いろいろな領域に触れていきたいです。

 

■これからプログラミングを学ぶ初学者の方へ、アドバイスやメッセージをお願いします。

 

プログラミングを始めたばかりの頃は、今はまだ理屈をわからなくてもいいからこうしろ、といった指示に従う必要が多々あると思います。これに反発を覚え、理屈を理解しようと挑戦して、失敗することがあると思います。でも、その疑問を心の片隅に残しておいてください。いつかは理解できる日が来るはずです。

 

■プログラミングを授業で教える時に、どんな工夫をすれば生徒が興味を持ったり、逆についていけなくて困ったりすることなく学べると思いますか。川崎さんだったらどうするか、という観点で教えてください。

 

プログラムの書き方に正解はありません。ですから、一つの書き方を押し付けず、できるだけ自由に書かせてあげることが大切だと思います。また、習った構文を並べるだけで解けるような問題だけでなく、ちょっとした発想を要求する問題も提供できれば、進度の早い生徒も満足できると思います。