特集 変わる高校教育 

ICTの導入で変わる学び  

~タブレット端末・電子黒板・デジタル教材を中心に~

※Kawaijuku Guideline 2014. 7・8より

(本文中の所属・役職などはすべて取材時のものです)


このコーナーでは、高校教育の変化を、高等学校の取り組みや先生方の工夫、さらにそれらの背景にある社会の変化、国や都道府県教育委員会の施策などから見ていく。


近年、学校教育におけるICTの活用が政策的に進められている。2001年の「e-Japan戦略」や2006年の「IT新改革戦略」などの情報化推進事業が行われ、2011年には文部科学省が「教育の情報化ビジョン」を発表。デジタル教科書・教材の整備、1クラスに1台の電子黒板の整備、児童生徒1人1台の情報端末の導入などによる「21世紀にふさわしい学びの環境」の実現がめざされている。そうした状況もあり、高校でのICTの活用が広がりつつある。


個別の高校の取り組みや、一人ひとりの先生の工夫に留まらず、政策としても推進されることで、今後、さまざまな高校でICTの導入・活用が進められるだろう。導入に当たっては、運用コスト、授業デザインや教材作成、さらに生徒へのモラル指導など、課題も多いが、ICTを活用することで、これまでできなかったような授業が可能になるとともに、生徒の学び方も変わっていく可能性がある。


そこで、今回は「ICTの導入で変わる学び」をテーマとし、その中でも近年導入が増えているタブレット端末、電子黒板、デジタル教材に特に注目し、高等学校の授業における活用の状況と、指導の変化についてお伝えする。

用語説明

ICT…Information and Communication Technologyの略で、コンピュータやインターネット等の情報通信技術のこと
タブレット端末…板型の携帯できる通信機器のこと。スマートフォンのように画面を直接触って操作する機種が多いが、タッチペンやキーボードが付いたものもある。文部科学省は「情報端末」、佐賀県は「学習用端末」と呼んでいるが、このコーナーでは特別な断りがない限り、「タブレット端末」としている。
電子黒板…電子技術を導入した黒板やホワイトボードの総称。パソコンの文字や画像をディスプレイに映し、文字や図を書き込んだり、文字や画像を移動したり、拡大・縮小、保存等ができる。「ユニット型」「ボード型」「一体型」などのタイプがある。
デジタル教材…教科書などの教材の内容をデジタル化したもの。電子黒板やスクリーンに表示して授業をしたり、生徒のパソコンやタブレット端末に表示して学習することができる。