慶應義塾大学SFC 2016年情報入試を振り返って

合格者座談会

2016年度初めて実施された情報入試の受験者・合格者(入学者)に、情報入試に向けて行った対策、問題の難しさなど受けてみた感想から、必須科目である小論文対策まで、入試を振り返ってもらいました。

<参加者>

坂上湧理さん 環境情報学部1年(東京・本郷高校出身/現役)

小野真太郎さん 環境情報学部1年(福岡・西南学院高校出身/現役)

熊谷啓孝さん 環境情報学部1年(岡山白陵高校/浪人)

堤大輝さん 総合政策学部1年(福岡大学附属大濠高校/現役)

特別参加・高城栄一朗さん 環境情報学部2年(茨城・土浦日大高校/浪人、明治大学情報コミュニケーション学部13年度入試B方式で「情報」で受験し入学、15年にAO入試で慶應へ)

<進行>

中野由章先生 情報入試研究会

Vol.1 入試対策1~ITパスポートや基本情報技術者試験を活用

当日選択制で急遽、数学ではなく情報で受験

中野先生:みなさん、SFCを一般入試で受験するにあたり、なぜ入試科目に情報を選んだのですか。

 

坂上さん:SFCに合格できるだけの学力は正直なくて、SFCは志望順位が第1志望校より上の、順位をつけていない記念受験校でした。数学も苦手でしたし、外国語は苦手ではないにしろ、外国語のみで合格できるほど得意ではありませんでした。人と比べて得意なのが、情報だったので、せっかくSFCを受けるなら、記念に情報で受けようと思いました。

 

小野さん:僕は外国語で苦戦していました。そんな時、高校の部活の顧問(情報科)に、情報で受験できるところを探してみたらというアドバイスをいただき、SFCに辿り着きました。高2の情報の期末試験で満点を取ったのがきっかけだったと思います。

 

熊谷さん:僕は、実は当日まで、数学で受験をしようと思っていました。でも、数学は少し自信がなかったんです。一方、情報はITパスポート試験の勉強をずっとしていたんですね。当日数学の問題を見ると、これまでより問題量が多かったので間違いなく間に合わないと思い、“賭け”だったのですが、試験当日に情報に変更しました。

 

中野先生:SFCの数学と情報の選択が事前登録制だったら、数学で受けていたわけですね。

 

熊谷さん:はい。ただ、情報で受ける可能性も頭の中にはありました。SFCのオープンキャンパスの時に情報の模擬試験を受けてみたら順位がすごく良かったので、数学と情報を事前選択することになっていたら、すごく悩んだと思います。

 

堤さん:僕の場合は、もともと他の大学に自己推薦で行くつもりだったのですが、不合格になってしまいました。結果が出たのが遅かったため、それから受験勉強を始めても、入試科目の多いところだと間に合わないと思いました。SFCに情報入試があることを知っていたのと、両親に「挑戦だけでもしてみたら」と勧められたこともあって、挑戦者の気持ちで、受験のために情報系の勉強を始めました。

 

プログラミングの勉強は間に合わなかったが

中野先生:SFCを情報で受ける場合、情報の勉強をしても、併願するほかの大学で使えませんよね。情報を選択することを躊躇しませんでしたか。また、どのように勉強したのでしょう。

 

坂上さん:僕は、夏休み以降は、SFC以外の大学のための勉強をしていて、情報の勉強はほとんど情報の勉強はしませんでした。8月に、全国高等学校IT・簿記選手権があり、その時、ITパスポートの参考書や基本情報技術者試験の参考書で勉強したのですが、その内容は役立ちました。

 

中野先生:ITパスポートの勉強で、SFCの問題に対応できるんですか。

 

坂上さん:ITパスポートの勉強に加えて、プログラミング言語、制御構文まで勉強すればSFCには対応できると思います。

 

熊谷さん:現役の時は数学で慶應義塾大学のSFCと経済学部を受けて、全て不合格でした。浪人時代に気分転換のつもりのプログラミングにのめりこんでしまい、入試直前までプログラムを書いていました。今年合格できたのは、そのおかげだと思っています。

 

中野先生:みなさん、プログラミングの勉強はいつ頃から始めましたか。

 

熊谷さん:SFCは、2015年までは入試科目に情報はありませんでしたが、数学の問題の中にコンピュータのBASICの問題があり、その問題を選択しようと考えていました。そこで現役の時、つまり2014年の10月、11月ぐらいからBASICの勉強を始め、浪人した2015年4月からC言語の勉強を始めました。

 

堤さん:僕は、入試直前の12月になってからプログラミングの勉強を始めたので、C言語を勉強する時間はありませんでした。そこでセンター試験の第3問とか、基本情報技術者試験の午後の問題で出題されるような、既存のプログラミング言語を使わないアルゴリズムが書いてあるような問題を勉強しました。

  

小野さ:僕も一般的なプログラミングをしたことはなく、情報入試対策の勉強をしました。高2の段階である程度志望校が固まっていたので、高3の11月にITパスポートレベルで最後の詰めをしました。高校の情報は「社会と情報」でしたが、先生に受験に「情報の科学」も必要であることを伝え、教科書をいただきました。

 

上さん:中3のときにWeb制作の勉強して、それからも文化祭のWebサイト制作など何個かWebサイトを作りました。技術的にはまだまだ未熟ですが、このなかでhtmlやCSSに加えて、JavaScriptの勉強をしました。

 

◆慶應義塾大学SFC「情報」入試問題を振り返って

2016年度情報入試の各問題について〜入学者アンケート

大問ごとに出題内容や難しさ、さらには、受験対策などを記入してもらいました。

 

2016年情報入試問題解説

神奈川県立柏陽高等学校情報科教諭 間辺広樹先生

2016年度慶應SFC情報入試の特徴を解説すると共に、大問ごとそれぞれ、どのような対策が効果的かを考察しました。

 

文系の高校2年生が慶應SFC情報入試に挑戦

神奈川県立柏陽高等学校 情報科教諭 間辺広樹先生

2016年に実施された慶応義塾大学SFCの環境情報学部の入試問題を、2年生32名に解いてもらいました。その結果から今後の入試対策を考察します。

 

◆慶應義塾大学入試問題

2016年度 総合政策学部

2016年度 環境情報学部

 ※情報入試研究会のサイトより

●解答例はこちら⇒慶應義塾大学SFC情報入試問題を振り返る

 ※情報処理学会・情報入試研究会協力

 

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慶應義塾大 新「情報」入試特集

情報処理学会(情報処理教育委員会)・情報入試研究会協力 対策動画

ミスiD2015近藤那央さんによる 「『情報』科目で慶應SFCを目指そう!」

〜2014年、2015年のオープンキャンパスで実施された参考試験の問題解説が、動画版や文章版でもあります