取り組み

ワンコインサーバを利用した教科「情報」の授業

レンタルサーバ「ロリポップ」とNetCommonsで環境を構築

石川県立金沢二水高等学校 鹿野利春先生


鹿野利春先生
鹿野利春先生

教科「情報」の授業を行うには、大掛かりで高価なネットワークの構築が必要だと思われがちです。けれど、レンタルサーバを借り、レンタルサーバ上で動くNetCommons(コンテンツマネージメントシステム)を利用することで、実は、手軽で安価にIT環境を準備し活用することができるのです。ブログなどでよく使われる「ロリポップ」を使って、大きな労力・費用をかけることなく、情報の学習環境を整え、教育効果をあげている、金沢二水高校の鹿野先生にうかがいました。

 

 

教科書や文房具のように、情報通信ネットワークを使わせたい 

     
新学習指導要領の目標は、「情報と情報技術を適切に活用させ」という表現で始まっています。これに対応するためには、教科書や文房具と同じレベルで情報通信ネットワークを利用できる環境を生徒に提供し、これを活用して授業を進める必要があります。


しかし、学校現場の環境は、理想には遠く、行政の迅速な対応も期待できません。そこで、レンタルサーバを教科「情報」の学習に役立てられないか、と考えました。

 

 

低価格で手軽なレンタルサーバ


レンタルサーバの特筆すべき点は、まず費用が安価なこと。当校で使用している「ロリポップ」は、ドメイン取得に1,000円、契約手数料に1,575円、これだけの初期費用を払えば、月々263円で、30GBのディスク容量と無制限のメールアドレスが取得できます。


導入の手続きは、契約書に必要事項を記入し、決済情報を入力するだけ。サーバ構築に関する知識はまったく必要ありません。レンタルサーバの契約が完了したら、Net Commonsをアップロードして初期設定を行います。これだけの手順で準備はすべて整います。 

                          


Net Commonsを授業のさまざまなシーンで活用


当校での活用例は以下の通りです。 


(1)「お知らせ」
Topページにこれを設置して、時間毎の課題や授業の目的を書き込んでおきます。そうすれば、生徒はチャイムが鳴る前から学習活動を開始できます。

 

(2)「小テスト」
前の授業で習ったことを確認します。生徒は答え合わせをし、間違えた答えの解説も確認できます。教師は成績の集計データがリアルタイムで確認できるので、正答率が低い問題だけをその場で復習し、次の単元に進むことができます。

問題例
問題例

(3)「日誌」「掲示板」


どちらもオンラインコミュニケーションのツールです。実際に使うことで、それぞれの特性を理解し、用途に応じた使い方が学べます。たとえば、「部活動の良いところ」を書きこませて、口コミデータベースとして集合知を体験させることができます。教師と生徒のコミュニケーションは円滑になり、教師が目配りできるので、生徒同士のコミュニケーションのトラブルも未然に防げます。

書き込み例
書き込み例

(4)「アンケート」


中学で学習したことや、授業評価についてのアンケートを実施しています。リアルタイムで集計でき、結果がグラフで表示されますので、生徒とアンケート結果を共有し、それを元に授業を進めることができます。情報収集の手段としてのオンラインアンケートについて学ばせることができます。

 

 

さらなる利用価値、ただし注意点も  

                
これらの他にも、レンタルサーバ独自の機能として、メールアドレスの付与、メーリングリスト、メールマガジンも利用できます。また、Net Commonsを使うことでデータベースやサイト構築についても学べます。


ただし、サーバを外部に設置するため、セキュリティへの配慮が必須です。生徒には、セキュリティの高いパスワードの設定、パスワードの定期的変更などを指導しています。  

              
「情報」は、単に知識として学んだだけでは意味をなさない教科です。実際に操作して感覚的に身につけることこそが必要であり、そのためには環境整備が非常に重要です。教師の労力を削減しつつ、授業を円滑に進められる方法として、このレンタルサーバ利用は、大いに利用価値のある手段と言えるでしょう。          

 

参考:ロリポップ使用マニュアル http://lolipop.jp/

※本記事は、日本情報科教育学会第6回全国大会(2013年6月29日・30日、東海大学 高輪キャンパスにて)でお話しされた内容です。